【086】ライスショック


「なあ」


「なによ」


「腹減ったんだけど」


「そこにお肉あるからご自由に」


「つかよ、毎日毎日おんなじもんじゃねえか

飽き飽きしてんだよ!」


「じゃあ食べるな」


「だってお前よ狂牛病とか知ってんか!?」


「うっさいわね、じゃあそこにある芋でも食べればいいじゃない!」


「ちげぇよ もっと画期的な食いもんとかあんだろーが」


「無いわよ」


「あれだよ、豆だな、豆」


「はあ?」


「お豆がタベタイナア〜」


「バッカじゃない」


「おや!こんな所にお豆が二粒!」


「きゃっ! 何してんのよ馬鹿!エロ河童!甲斐性なし!インポテンス!安楽椅子!」


「だとこの半裸!!」


「あんただって似たようなもんじゃないの!」


「うっせー!おまえがまともに料理もできねーから、こんなことになんじゃねーか!霊長類失格!死ね!」


「出来るわよ料理ぐらい!」


「やってみろよ!」


「やってやるわよ!」



稲作の始まり

【087】十三万階段


毎年毎年どこの学校にも必ず受験生がいるわけで、僕にもとうとうその順番がやってきたわけで、勉強をしなければいけないわけで


しかし、数学の点数が足りずこのままでは留年らしいです僕。原因はおまえの素行と点数の悪さだと言われましたが、僕はそれ以前に昨日から出っ放しになってるあなたの鼻毛が気になります、そこまでアグレッシブに説教されても困る


ともかくも受験生にあるまじき十字架を背負ったまま僕は受験戦争に突入してるわけですが、ま、少しぐらいスタートラインが後ろにあったって僕ならトラックを二周半する間にそんな差ぐらい縮めることが可能ですから、特にそんな危機感はもってn


「ところでおまえ古文の単位も足りないな、出席日数が足りん」


なんてこった、これではスタートラインが後ろにあるだけでなくコースに傷病兵を敷き詰められてるようなものです。僕のコースにだけびっしりと傷病兵。こいつらのせいで思うようにスピードが出せません。万が一踏もうものならそのたびに「靖国」って言うし、あるいは急に寝返り打ってわざと踏まれに来たり、そして「靖国」って言う。つまりお前らそれが言いたいだけじゃねえか


どうにかして勉強をしなければいけない、そのための時間を捻出しなければいけない、何を削ろうか、食事?睡眠?


インターネット?HP? ノンノンノン


それを削るくらいなら傷病兵と仲良くなってやる。



すでに親友レベルを超えてるかもしれませんが

【088】ピンキーくん


「蜂蜜大好き!お茶目熊ピンキーと!」


「俺の」


「「子供なんでも相談コーナー!」」


「お兄さんお兄さん、今日もホラ、こんなにたくさんのお葉書が来てるよ!みんなありがとうー!」


「えー、みんなどうも有り難う、じゃ、一枚目、HNプリン大好キング


「メールなの!? お兄さん、こんなに山積みのはがき目の前にしてメール読んじゃうんだ!?」


「本名 若林 勝 くん


「ダメだよ! お兄さん本名言っちゃってるよ! しかもHN言った後だから余計にイタイよ! ごめんね若林くん! でも君の友人関係に責任は持てません!」


「からの質問です、えー、近所の猫がにゃーにゃーうるさいのです、なんでですか教えて下さい、あと、ピンキーくんは何ていう種類の熊なんですか? 教えて下さい」


「わ! ホントだね〜僕の家の周りにも一杯野良猫いるんだけど、たまにすごぉーくうるさいよ、ねえ、お兄さんなんで〜?」


「セックスがしたいからでゲス」


「ゲェー! お兄さんお兄さん!やりすぎだよ!短刀を直に入れすぎだよ! しかも小さく「ゲス」ってしっかりキャラ確立してる辺り抜け目ないネ!」


「あと、ピンキーの種類は「元ヤン」です」


「お兄さんてば!まだ昔の友達とかから未だに電話かかってくるんだから止めてよ! 一応隠してるんだからね!」


「二枚目のお便り、えー、宮崎県 PN フルーツ俺 さんからの質問」


「あ、フルーツ俺くん、アリガトー!」


「コンビニの前で定時にたむろしてる人たちがいますが」


「あー!いるよねー! なんでだろーね〜? 僕なんか怖くてコンビニ入れないよー! あの人達は邪魔だねー!」


「ピンキーはその程度の元ヤンです」


「俺の話だったのか! 続いてたのか!」


「尚、定時なのは、バイトの娘をお持ち帰りし、皆で


「今日はこの辺でおしまーい! じゃねー! 良い子のみんなまたね〜!!!」

【089】カプコマンド


ヒーローものって、続くと必ず劣化品っていうか偽物が出てきますね。中には後々本物の味方になったりして、逆に子供達の人気をかっさらっていく例もあります。


例えば仮面ライダーブラックRXにおけるシャドームーン


子供にしてみたら「おいおい、何だよあの銀ちゃけたのはよ、初登場なのに態度でけぇな、と思ったら戦い始めちゃったよ!しかもいい勝負してるよ!マジで!?ていうかRX苦戦しすぎ、醒めるわ、そういうの醒めるわ、ていうかアイツバッタじゃん、所詮バッタじゃん、スカイライダーに至ってはイナゴじゃん、佃煮じゃん、明らかに銀色の方がかっけー、疑いの余地無くかっけー」


で、気づいたら「シャドームーンガンバレ!!」です。


確かに、僕もシャドームーンの方が好きです。あの動きにくい衣装で一生懸命な姿に心打たれます、が、子供達はそれで良いんでしょうか、彼らからすると、色違いの仮面ライダーが増えたようなもので、そうなると判断基準は「銀色が格好いい」とか「声が格好いい」「動きが良い」そんな基本的な所へと回帰してしまい、もはや「シャドームーンガンバレ!」ではなく「堀内孝人(中身)ガンバレ!」です。


おまけにシャドームーンは復活してすぐ天に召されるなど、同情アクション満載の好キャラ。そりゃ人気も取られます。


さらにやっと偽物が居なくなったと思ったら、最終回で全ライダー大集合。ポケットを叩いたらビスケットが減数分裂したみたいな状態に子供達は大忙し、結局ハッピーエンドでも一体何がハッピーだったのかも解らずじまいで、とりあえず「仮面ライダー格好いい」に収束されてしまうのです。


僕は今の世の子供達に伝えたい、移ろいやすい世の中でも確固たる自分というものを持ってほしい、隣でアルトパートを歌われてもテノールパートを歌い続けられるような大人になってほしいと思います。



ところで、赤いガイルの方がリーチ長いんだってよ。

【090】嘘なんだけどね。


最近はなんですか、やたら熊が出没しているようですね、熊。僕の出身地にも出ましたよ、なんか四十五歳のおばあさんが犬の散歩中に出くわしたらしいです。


犬の散歩中にまで熊に出くわすご時世になったとは、もはや動物園の存在意義なんてないですね、毎日がなんちゃってサファリですから、逆に。動物園に行きたーい、コアラを抱っこして微妙に嫌な顔させたーい とか言ってるお子さまをお持ちでしたら飛騨山中とかに置き去りにしてみたら良いんじゃないでしょうか、なんかあの辺り手に余るほど熊居そうですし。


でも、ああいう手合いはたいがい強いですから、鮭食ってるし、それに「熊殺し」とかっていうともう英雄扱いですしね、村民に。「熊脅し」はどうですかね、殺すよりもなんか強そうですけど、実際闘ったら弱いみたいな弱点も兼ね添えていそうでどうしようも無いですね。


「熊おろし」は、まあ出来れば食べたくない感が強いです、だってすっごい臭そう、指の間が。特に寝起きの指の間が。



しかし、四十五で「おばあさん」とは惨い。

【071】タイムマシンは来週にも完成


僕は、アップした後の日記を見ることは殆どしません。


する前はそうでもないです。やっぱりネットとはいえ人に見せる文章ですから、誤字脱字、含めて推敲は一応するんですけど、アップしたら最後、その日記を読み返すことは滅多にしないのですが、最近ちょっと、オフラインサーフがあまりに暇だったもので、自分の日記を見てみました。


「・・・・・ぅぁ」


素でこんな声が漏れました。夜書いた文章を朝見返すときもこんな感じですけど、なんだかあまりに酷い。内容だとか、そういうものではなく根本的な文体、久しく文章など書いていなかったものですから仕方ないと言えばそうですけど、一体何を考えて僕はこんな、初めてカラオケに行った中学生みたいなテンションの文章を書いたのか、タイムマシンがあったなら、これを書いた自分を剃毛してやりたい気分です。



あ!つ、机の引き出しから、剃刀を持った自分が!