【089】カプコマンド


ヒーローものって、続くと必ず劣化品っていうか偽物が出てきますね。中には後々本物の味方になったりして、逆に子供達の人気をかっさらっていく例もあります。


例えば仮面ライダーブラックRXにおけるシャドームーン


子供にしてみたら「おいおい、何だよあの銀ちゃけたのはよ、初登場なのに態度でけぇな、と思ったら戦い始めちゃったよ!しかもいい勝負してるよ!マジで!?ていうかRX苦戦しすぎ、醒めるわ、そういうの醒めるわ、ていうかアイツバッタじゃん、所詮バッタじゃん、スカイライダーに至ってはイナゴじゃん、佃煮じゃん、明らかに銀色の方がかっけー、疑いの余地無くかっけー」


で、気づいたら「シャドームーンガンバレ!!」です。


確かに、僕もシャドームーンの方が好きです。あの動きにくい衣装で一生懸命な姿に心打たれます、が、子供達はそれで良いんでしょうか、彼らからすると、色違いの仮面ライダーが増えたようなもので、そうなると判断基準は「銀色が格好いい」とか「声が格好いい」「動きが良い」そんな基本的な所へと回帰してしまい、もはや「シャドームーンガンバレ!」ではなく「堀内孝人(中身)ガンバレ!」です。


おまけにシャドームーンは復活してすぐ天に召されるなど、同情アクション満載の好キャラ。そりゃ人気も取られます。


さらにやっと偽物が居なくなったと思ったら、最終回で全ライダー大集合。ポケットを叩いたらビスケットが減数分裂したみたいな状態に子供達は大忙し、結局ハッピーエンドでも一体何がハッピーだったのかも解らずじまいで、とりあえず「仮面ライダー格好いい」に収束されてしまうのです。


僕は今の世の子供達に伝えたい、移ろいやすい世の中でも確固たる自分というものを持ってほしい、隣でアルトパートを歌われてもテノールパートを歌い続けられるような大人になってほしいと思います。



ところで、赤いガイルの方がリーチ長いんだってよ。